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建築/音楽/アジア


by baybranch
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真の独立への道 (ヒンド・スワラージ)

岩波文庫。1910年、ガンディー著。
少し前から、インドのナショナリズムについて興味をもっていたのだが、この本を読んでますます面白いと思った。ただし、インドのナショナリズムは、このガンディーの考え方だけではなく、一筋縄ではいかない。その状況全体に対して興味がある。
このガンディーの考え方は、人によっては、単なる文明批判のように読まれがちかもしれない。そして、もはや非文明には戻れないのだし、時代にはあっていない、と片付けてられしまうものかもしれない。しかし、よく読んでみると、実は、ガンディーは非常に現実的で、背伸びもせず理想主義的でもないように、読めると思った。
例えば、議会というものは何もよいことを生み出したことがない、という。議会は娼婦だ、と。あるいは、弁護士、医者は、事態を悪化させることしかできない、ともいう。これらの分析は、単に感情的なものではなくて、現実をよく見て、大局からとらえた考えからきているものだ。そして、現実に対してどう対処すればよいか、どう生きていけばよいのか、『第三の道』を指し示そうとしているように思える。もちろん、ここにすべてが示されているわけではない。考えはまだ途中だ。
いつも「選挙に行こうキャンペーン」を見るたびに、その欺瞞を許せないでいるのだが、それをガンディーは裏付けてくれるような気がした。いやはや、もう少し勉強してみないと。
この本は何故か移動中(電車の中など)に読んでいると、しっくり、頭に入ってくるような気がする。それはこれが、船の中で書かれたという事情によるのだろうか。

真の独立への道 (ヒンド・スワラージ)_d0009494_1641543.jpg
by baybranch | 2005-06-03 16:05 | アジア